あってね、チョットいけまさあ! あなたも一つ、どうです!(と、先程から、彼のいうことに異様に引きつけられて、非常に注意深く彼の顔を見つめている治子にも一つ持たせる)もっとも、これもやっぱり近頃の事だあ、肉といっても、豚の肉だか猫の肉だか、事によったら、人間の肉だか、これ、保証の限りじゃねえけどね、ヘヘヘ、どうでもいいじゃありませんかね、食えさえすりゃ、ねえ!
リク ……(にぎらされたホットドッグをマジマジと見つめていたが、なんと思ったか、ポイと放り出してしまう)
貴島 (それを見て)どうしました?
リク 友吉! お父っあんを、返しておくれ。明を返しておくれ。お前のおかげで――お父っあんを、明を、返しておくれ。……返してくれなければ、私あ、どんな事があっても、食べないよ! 食べません!(ドシンと音をさせて、壁の方を向いて寝てしまう)
貴島 ヘ? ――なんだって?
友吉 ……(弱り果てた眼で、その母の後姿を見守りながら)いつも、こうなんです。……断食するんだといって――。
貴島 へえ、すると、なんですか――? 断食をね? すると――(まじめに問いかけはじめた自分の調子を自分でガラリと投げ出
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