でしょう!……どうしたの、兄さん?(あがって、友吉に置時計を渡しながら)
友吉 ……角の、あの――
俊子 隅本さん。急いでなおしてくれって。……治子さん、どうなすったの?
友吉 うん。……
リク (それまで眠っていたのが、眼をさまし、寝たまま)ああ、ああ。ああ、ああ。……おなかが、すいたねえ。
俊子 お母さん、目がさめた。……(足さぐりに寄って行き)どう?よく眠れて?
リク 眠れやしないよ。頭の中でガンガン、ガンガン、鐘ばかりなって。
俊子 なんか、食べる?
リク 食べさしておくれ。おなかがすいて、おなかがすいて。なんでもいいから。食べさせておくれ。ひどいよ、自分たちばかり食べて、私には、なんにもくれないんだから。
俊子 だってそんな事いったって、お母さんが、なんかあげると、食べないんだもの。……今日は、ホントに食べる?
リク ああ、食べたいよ。早く、なんか――
俊子 はいはい。……(よく見えない目で友吉の方を見る。友吉立って室の左の隅に二つ三つ積んであるブリキのカンを次ぎ次ぎと開ける。みなカラッポ。だが、今度はポケットから、ガマグチを出して、なかみをチラリと見て、ガッカリしてボンヤリ
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