…失礼しました。……(リクの着ている薄いフトンのスソから手を入れてその足にさわって見たり、枕もとを片附けたりしてから、あがりばなの所へ来て坐る。そして、表情を動かさないままで、友吉の姿をしばらく見ている。間)……俊ちゃんは?
友吉 …………。
治子 ……私ね、明日からダンサーになるの。……学校時代の友達がやってるから、なんでも教えてくれるんですって。――近頃じゃ、すぐにやれるんですって。着物もその人が貸してくれるの。――(友吉動かない)どうしたの?
友吉 …………。
治子 今のアパートから、追い立てをくって、いよいよもう、居られなくなったの。部屋代をいっぺんに五百円にするというのよ。……そうでなくっても、今の会社の月給は六百円で、食べるだけでも、たりなくなって来たし……ホールに出ると、その日から百円ぐらいにはなるんですって。……私、もう、こうなったら、なんでもやるわ。……だって、このままで行ったら、私もだけど、それよりもお母さんも俊ちゃんも、医者や薬はおろか、あなたも、みんな、カツエて死んでしまう。……(しばらくだまっていてから)お祈り?
友吉 ……(顔をあげる。ボンヤリした眼つきで治
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