て、安心はできないんだよ。……そこいらの事、その、キリスト教では、どんなふうになるんだい?
友吉 ……(崖の上の、こげた樹から目を離さないで)さあ。……わからん。……ちかごろ僕には、いろんな事がわからなくなってしまった。……頭がクラクラして。
北村……どういう意味だったろう、あれは?いやさ、ここのおじさんが、あん時、――そうだ、君の今坐っている所に坐っていたが、ヒョッと「友吉のいうのがホントかも知れん」といったんだよ。そういって、そいで立上って、あすこをのぼって行った。そいで――。その、友吉のいうのがホントかも知れん――
友吉 ……(北村の言葉をジーッと聞いている間に、だんだん頭がさがってくる。ホントの苦しみが、はじめて彼の顔に現われる)
北村 ……どっちせ、このままでは、おれたち日本人は救われねえんだ。……安心は得られない。
友吉 ……(不意に、右手のピンセットを投げ出し、左右の手を組み合せ、その上に顔をのせて、修理中の時計の上にガシャンと突伏す)
北村 どうしたんだよ?片倉君?……どうしたんだい?え、友ちゃん?
友吉 (突伏したまま)わからない。僕には、よく、わからない。神さまは―
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