共産主義にやサンセイな人間だ。こないだの選挙だって共産党の運動員で走りまわったくらいだもん。だから、主義はそいでいいと思うんだ。――しかしだよ、だからといって戦争中のことを忘れちまっちゃ、いかんと思う――というよりは、人間なら忘れるわけにはいかんと思う。あいだけの親兄弟が死んだこと、そいから、その時分自分がどんな事を思い、どんな事をしていたかという事をだよ。……あん時、明ちゃんと此処で話した――おじさんがなに[#「なに」に傍点]した日さ――(いいながら自然に彼の目が傾斜の上を見上げる。友吉の視線もそれを追ってそちらを見る)――ちょうど夕陽が、カッと照らしていた。――あんときの事を俺は忘れない。――自分の気持が上っすべりに突走りはじめると、きまって、それを思い出すんだ。――すると、いい気にゃなれない。組合の連中なんかのいってるような事では、片附かないんだ。そいだけでは救われないという気がするんだ。つまりそいだけでは、死にきれねえという気がするんだよ。だって、又、戦争が起きるかわからんのだからなあ。どうなるんだよ、こんだあ?……それこれ思ってると、ただ左翼の連中のいうことだけを聞いていたっ
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