そこいらの家を一軒々々聞いて歩いて――。
北村 ……眼は、その後、どうなんだい?
友吉 ボンヤリ、見える――とまでは行かないようだが、ケントウぐらい附くらしいけど。
北村 ……そいで、仕事は、有るの?
友吉 今一つ受けてるけど、あと、どうも。――近頃あっちにもこっちにも時計の修理がふえたから――
北村 一つや二つパッチじゃ、しょうがないなあ。とてもそいじゃ、三人口――
友吉 しかたがないから、どっか盛り場にでも出かけて行ってやろうかと思ってる。
北村 ……会社にもどれりゃ、君ぐらいの腕だと、問題ないんだけどねえ。須田さんなど、君をほしがっているんだが――しかし、クローズドなんとかって、組合の方のなにで今、とても入れんからなあ。それに、ああしてゴタゴタしてるし――
友吉 ストライキは、その後、どうなったの?
北村 うまく行かないんだ。ううん、いっそハッキリとストライキをはじめてしまえば、まだいいかも知れんが、そうも行かないようで――だもんだから、かえって中でブスブスくすぶって、共産党と、そうでない方とが二つに割れてね、近ごろじゃ工場の中で時々両方のガワが腕ずくの喧嘩になったり――実にイ
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