たなくなって来るんじゃないでしょうか? 今はもう、そんな差別は抜きにしてみんながいっしょになって立ち直して行くことを考えないと、うまく行かんのじゃないかと、僕――
声一 アーメン!アーメン!わかったよ!
声二 進行、進行!(五、六人の拍手)
司会 じゃあ、次ぎの、有志の質問意見という事にうつりますが、しかし、われわわれ此際、今の片倉君の意見と同じような――いや、意見そのものの当否の問題でなくて、事態が、事ここに至っているというのに、いまだに中途半端な、妥協的見解を抱いている者がわれわれの間に居るようでは、今後はなはだ困ると思うので、どうかみんなは今日は腹蔵の[#「腹蔵の」は底本では「腹臓の」]ない事を話し合いたいと思います。
友吉 それでは――(いいながら、テーブルの所からさがろうとして、足をイスにぶっつけ、左手がきかないために身体の中心を失ってヨロヨロとなる)
細田 ……(イスから腰を浮かして、その友吉をささえてやりながら、わきのイスをさして)ここへかけたら、いい。
友吉 はい、どうも。――
司会 それでは、その前に、委員長に、会社当局との、今日午前中までの交渉経過について報告をして
前へ
次へ
全180ページ中117ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三好 十郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング