そうなんだよ。あんまりひどいんで、僕らの方では組合をこさえて、なんとか首きりはよして、うまくやって行けるように、さんざん交渉しているけど、会社では、どうしても此方の言い分を聞いてくれないんだ。そんで、まあ、或いはストライキになる以外に方法はないというところまで来てしまって――いや、誰もそんな事やりたくはないけどさ――しかたがないからね。しかたがないからね。そいでまあ、今日はその準備というか、こうして座談会を開いて、みんなの意見を出し合うという事になってね。そんなわけだよ。
友吉 ……そうですか。どうも僕には、よくわからないんで――ですから、そう言ったんですけど――どうしても出席しろとおっしゃるもんですから。――
司会 どうだろう、だから、それについて君の意見を聞かしてほしいんだよ。
友吉 べつに僕には――いえ――でも、ストライキなんかしないで、あの、会社によく頼んで、うまく、この、やれんでしょうか?
声一 エッヘヘヘ!頼んで聞いてくれるようなそんな人間らしい奴は、会社には居ないんだよ!
司会 そりゃサンザンやったんだ、これまでに。でもどうしてもダメだもんだから、いよいよ、しかたがないと
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