ちの力で万事をやるようにする事が、諸君がおちついて安心して仕事にはげみ、幸福になる方法であると同時に、そうする事が即ち、世の中に今後ぜったいに戦争を起さないですむ最も善い、最も早い方法なんです!(客席に烈しい拍手。ワーといって四五人の男が立ちあがっている)どうかしっかりやってほしいと思います。……では、このへんで――失礼しました。(ニコニコしながら、客席の前の端を見る)
司会 ……(細田の視線の先から立ちあがって行き、細田に代って、テーブルの向うに立つ。細田は、わきに寄ってイスにかける)ええ、実に非常に良い話をしていただいて、私ども一同、なんと言ってよいか――われわれ勤労大衆のために、永い間牢獄にとじこめられて来られた細田さんのような方が、相変らずわれわれの事をこんなにまで考えてくださることに対し、これから、いえ、こんどこそは、われわれもシッカリしなくてはならない。現在の会社当局が、終戦以来われわれに対して取って来た態度と思い合わせますと、実に感がいなきを得ません。われわれは、此処にわれわれの決意をかためるとともに、細田さんをはじめ、人民解放のための闘いに、あるいは倒れ、あるいは自由を
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