葉書)
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拝啓 先日は御能拝見仰せ付られ難有仕合に存じ奉り候。西洋人大喜にて今度ある時も知らせてもらいたいなどと申居候 以上。
僕の後ろに居た西洋人ハ下等ナ奴ダ。アンナ者ガ能ヲ見ニ来タラ断ワルガイイ。
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[#地から3字上げ]夏目金之助
高浜清様
○
明治三十九年十月三日(葉書)
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拝啓 『ホトトギス』の予告は驚ろきましたね。小生来客に食傷して木曜の午後三時からを面会日と定め候。妙な連中が落ち合う事と存候。ちと景気を見に御出被下度候。
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[#地から3字上げ]夏目金之助
高浜清様
○
明治三十九年十月九日(封書)
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「二百十日」を御読み下さって御批評被下難有存じます。論旨に同情がないとは困ります。是非同情しなければいけません。もっとも源因が明記してないから同情を強いる訳にゆかない。その代り源因を話さないでグーグー寝てしまう所なぞは面白いじゃありませんか。そこへ同情し給え。碌《ろく》さんが最後に降参する所も弁護します。碌さんはあの
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