も知れない。とにかく御覧に入れます。以上。
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   十二月十一日[#地から3字上げ]金
     虚子様
      ○
明治三十九年十二月十六日(葉書)
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「欠《あく》び」御出来《ごしゅったい》のよし。小生ただ今向鉢巻大頭痛にて大傑作製造中に候。二十四日までに出来上る積りなれどただ今八十枚の所にて、予定の半分にも行って居らぬ故どうなる事やら当人にも分りかね候。出来ねば末一、二回分は二十日以後と御あきらめ下さい。
 小生立退きを命ぜられこれまた大頭痛中に候。今度の小説は本郷座式で超ハムレット的の傑作になるはずの所御催促にて段々下落致候。残念千万に候。
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[#地から3字上げ]夏目金之助
     高浜清様
      ○
明治三十九年十二月十六日(葉書)
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 只今頗ル艶《えん》ナ所ヲカイテイル。
 表題ハ実ハキマラズ。「野分《のわけ》」位ナ所ガヨカロウト思イマス。ドウデショウ。中々人ガキタリ、何カシテ一気ニ書ケナイ。
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[#地から3字上げ]夏目金之助
     高浜清様
 
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