拝啓 伝四先生の原稿は先ほど送りました。手を入れると申しても大変ですから大体あれでいいでしょう。校正の時でも気がついた所を直してやって下さい。『ホトトギス』の趣向はないのだが、どうも長くなりそうでそうして頗る複雑な奴が書いて見たい。所がどうも時間が足りないですがね。そこが困ります。もし充分の時日があって趣向が渾然《こんぜん》とまとまれば日本第一の名作が来年一月の『ホトトギス』へあらわれるのだが惜しい事です。
いそがしくて困ります。昨夜は大変面白かった。毎木曜にああ猛烈な論戦があると愉快ですな。
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明治三十九年十二月四日(葉書)
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拝啓 明後日は「千鳥」の作者が新作をもってくる由。どうか御出席の上朗読を願いたいものですが如何《どう》でしょう。
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十二月四日[#地から3字上げ]夏目金之助
高浜清様
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明治三十九年十二月十日(封書)
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拝啓 いよいよ本日曜から『ホトトギス』に取りかかりました。学校があるから廿日までに出来るかどうか受合えない。然し
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