強うる事は出来不申候故左様御承知|被下度《くだされたく》候。
財政の事につきては一向様子分らず候えども収支償わずとありてはもとより分別せざるべからず候。既往の決算将来の見込につきて大略の処御報奉願候。
小生金はなけれども場合によりては救済の手段も可有之と存居候。
定価の事は可成しばしば変更せぬこそよけれと存候。
しかし少しにても経済的のことならば改むるに憚《はばか》らずそれらは御考にて如何様《いかよう》とも可被成《なさるべく》候。ただ隔月刊行の事は小生絶対的反対に有之候。隔月にするようならば廃刊のまさるに如《し》かずと存候。
昨年の今頃にありては貴兄と鳴雪翁との気焔《きえん》あたるべからざるものありしやに覚え候。今は小生一人意気込居候。然れども東京にて出すには可なり骨が折れて結果|少《すくな》しと存候。畢竟松山の雑誌なればこそ小生等も思う存分の事出来申候。
何にせよ小生はただ貴兄を頼むより外に術無く、貴兄もし出来ぬとあれば勿論雑誌は出来ぬことと存候。
一時編輯を他人に任すはもとより宜しけれど到底それは一時の事にして再び貴兄の頭上に落ち来るは知れたことと存候。
何分にも松
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