たる小杉天外君が初めて「蝶ちゃん」(?)という小説を『小日本』に連載。これが天外君の初舞台?。
 子規居士既作の処女作「月の都」を『小日本』紙上に連載、続いて「一日物語《いちにちものがたり》」その他を連載。
『小日本』紙上にて俳句を募集。その応募者のうちに把栗《はりつ》、墨水《ぼくすい》、波静《はせい》、梅龕《ばいがん》、俎堂《そどう》等の名を見出した事。
等。
 さて句会は月に一会以上諸処に催おされて、その出席者は居士、鳴雪、飄亭、非風、古白、牛伴《ぎゅうはん》(為山)、松宇、桃雨、猿男《さるお》、得中《とくちゅう》、五洲、洒竹、紫影《しえい》、爛腸《らんちょう》(嶺雲)、肋骨《ろっこつ》、木同《もくどう》、露月、把栗、墨水、波静、虚子らの顔触《かおぶれ》であったかと記憶して居る。この中《うち》にはまだこの頃は面《かお》を出さず、『小日本』廃刊後になって初めて出席した人が誤って這入《はい》っているかも知れぬ。
 居士も飄亭君も殆ど全力を上げて『小日本』に尽していた。何にせよ記者はこの二人を中心にして他に二、三人あるかないか位なのだからその骨折というものは一通りではなかったようである。 
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