いなづまに似た ひらめきがあるとおもつたので、
しかし だめでした
わたしは たまらなく
歯をくひしばつて つつぷしてしまつた
しのだけ
この しのだけ
ほそく のびた
なぜ ほそい
ほそいから わたしのむねが 痛い
むなしさの 空
むなしさの ふかいそらへ
ほがらかにうまれ 湧く 詩《ポヱジイ》のこころ
旋律は 水のように ながれ
あらゆるものがそこにをわる ああ しづけさ
こころの 船出
しづか しづか 真珠の空
ああ ましろき こころのたび
うなそこをひとりゆけば
こころのいろは かぎりなく
ただ こころのいろにながれたり
ああしろく ただしろく
はてしなく ふなでをする
わが身を おほふ 真珠の そら
朝の あやうさ
すずめが とぶ
いちじるしい あやうさ
はれわたりたる
この あさの あやうさ
あめの 日
しろい きのこ
きいろい きのこ
あめの日
しづかな日
追 憶
山のうへには
はたけが あつたつけ
はたけのすみに うづくまつてみた
あの 空の 近かつたこと
おそろしかつたこと
草の 実
実《み》!
ひとつぶ
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