それを囲繞《とりま》く人群の前の方には気取屋連が得意げで、
公証人氏は安ピカの、頭字《かしらじ》入のメタルに見入つてゐる際中《さなか》。

鼻眼鏡《ロルニヨン》の金利生活先生達は、奏楽の、調子の外《はづ》れを気にします。
無暗に太つた勤人《つとめにん》達等は、太つた細君連れてゐる、
彼女の側《おそば》に行きますは、いと世話好きな先生達、
彼女の著物の裾飾と来ちや、物欲しさうに見えてます。

隠居仕事に、食料を商《や》る連中の何時も集る緑のベンチ、
今日も彼等はステッキで砂を掻き掻き大真面目
何か契約上のこと、論議し合つてゐるのです、
何れお金のことでせう、扨『結局……』と云つてます。

お尻の丸味を床几の上に、どつかと据ゑてるブルジョワは、
はでな釦を附けてゐるビール腹したフラマン人、
オネン・パイプを嗜《たしな》んでゐる、ボロリボロリと煙草はこぼれる、
――ねえ、ホラ、あれは、密輸の煙草!

芝生の縁《ふち》では無頼漢共《わるども》が、さかんに冷嘲してゐます。
トロンボオンの節《ふし》につれ、甘《あま》アくなつた純心の
いとも気随な兵隊達は子守女と口をきかうと
まづその抱ゐてる赤ン
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