ランボオ詩集
OEVRES D'ARTHUR RIMBAUD
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud
中原中也訳

−−
【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)臑《(すね)》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)麦穂|臑《(すね)》刺す

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「木+解」、第3水準1−86−22]

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)むツく/\
−−

[#ページの左右中央]
     初期詩篇
[#改ページ]

 感動


私はゆかう、夏の青き宵は
麦穂|臑《(すね)》刺す小径の上に、小草《をぐさ》を蹈みに
夢想家・私は私の足に、爽々《(すがすが)》しさのつたふを覚え、
吹く風に思ふさま、私の頭をなぶらすだらう!

私は語りも、考へもしまい、だが
果てなき愛は心の裡《うち》に、浮びも来よう
私は往かう、遠く遠くボヘミヤンのやう
天地の間を
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