もて指揮するを喜んだ
アポロンのそれに似た、月桂樹編んで造れる冠|携《たづさ》へ。
さて鳩らそを我が額《ぬか》に被《かづ》けるとみるや
空は展《ひら》かれ、めくるめく我が眼《め》には、
フ※[#小書き片仮名ヱ、12−5]ビュス親しく雲の上、黄金の雲の上、飛び翔けり舞ふが見られた。
フ※[#小書き片仮名ヱ、12−6]ビュスは我が上にそが神聖な腕を伸べ、
又頭の上には、天上の炎もて
※[#始め二重括弧、1−2−54]|汝《なんぢ》詩人たるべし!※[#終わり二重括弧、1−2−55]と記《しる》した。すると我が四肢に
異常の温暖は昇り来り、そが清澄もて光り耀く
清らの泉は太陽の光に炎《(も)》え立つた。
扨《(さて)》も鳩ら先刻《さき》にせる姿を改め、
美神《※[#濁点付き片仮名ヱ、1−7−84]ニュス》等|合唱隊《コーラス》を作《な》し優しき声もて歌を唱へば
鳩らそが腕に私を抱きとり、空の方へと連れ去つた
三度《みたび》※[#始め二重括弧、1−2−54]汝、詩人たるべし!※[#終わり二重括弧、1−2−55]と呼び、三度《みたび》我が額《ぬか》を月桂樹もて装《よそほ》うて、空の方へと連れ去つた
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