ランボオ詩集≪学校時代の詩≫
VERS DE COLLEGE
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud
中原中也訳

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)羅馬《(ローマ)》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)幾|歳月《としつき》に

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#小書き片仮名ヱ、10−4]
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 1 Ver erat


春であつた、オルビリウスは羅馬《(ローマ)》で病ひに苦しんでゐた
彼は身動きも出来なかつた、無情な教師、彼の剣術は中止されてゐた
その打合ひの音《ね》は、我が耳を聾《(ろう)》さなかつた
木刀は、打続く痛みを以つて我が四肢をいためることをやめてゐた。
機《をり》もよし、私は和やかな田園に赴《はし》つた
全てを忘《ばう》じ……転地と懸念のなさとで
柔らかい欣びは研究に倦んじた我が精神を休めるのであつた。
云ふべからざる満足に充たされ、我が心は無味乾燥の学校を
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