リ/\すると輪も廻るのね……あゝ、おもしろい」
「ね、見えたでしよ? ね」とお友達は嬉しさうな声を出した。
私たちは眼がいたくなつてしまつて指をはなし、「いたくなつちやつた……」と眼をこすつた。眼をあけたらまぶしかつた。お友達はにこ/\しながら
「ねえ、今見えた黄色い輪ね。あれなんだか知つてる?」
得意さうに皆をみまはした。みんな、まぶしさうな眼をまだショボ/\させて、
「うゝ、うん」と一度に首をふる。
「あれはタマシヒなのよ」
「……? ……?」
皆驚いて眼と眼を見合はす。
「ふーん? あれがタマシヒなの」と誰かゞ感に耐えない声を出した。それから一しきりタマシヒの話でにぎわつた。
「タマシヒつて眼ン中にあるもんなの? 輪になつてるのね。知らなかつたわ」
「人魂ッてのはあれが飛ぶの?」
「馬鹿ね。人魂なんて迷信よ」
「あら? あるんですつてよ。家のおぢいさん見たッて云つてたわ」
その中に誰かゞ大きな声で、
「あら? ○○さん!」とタマシヒを教へてくれたお友達を引張ッて、
「変よ、右の眼でやつても左の眼でやつても見えるわよ。二つあるの?」ときた。
○○さんは悠然として、
「わか
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