モぞ。われ。情なき事をな宣給《のたま》ひそ。我|爭《いか》でかおん身を棄つべき。我を棄て給ひしは、我を逐ひて風塵の巷《ちまた》に奔《はし》らしめ給ひしは、おん身にこそあれ。かく言はゞ、おん身は我を自ら揣《はか》らざるものとやし給はん。さらば只だ我を驅逐せしものは我運命なり、我因果なりとやいはん。此詞|纔《わづか》に出でゝ、アヌンチヤタ[#「アヌンチヤタ」に傍線]はその猶美しき目を※[#「目+爭」、第3水準1−88−85]《みは》り、ことばはなくて我面を凝視し、その色を失へる唇はものいはんと欲する如くに動きて又止み、深き息|徐《おもむ》ろに洩れて、目は地上に注《そゝ》がるゝことしばらくなりき、アヌンチヤタ[#「アヌンチヤタ」に傍線]は忽ち右手《めて》を擧げて、緩《ゆるやか》にその額《ぬか》を撫でたり。一の祕密の神とおのれとのみ知れるありて、此時心頭に浮び來りしにやあらん。アヌンチヤタ[#「アヌンチヤタ」に傍線]は再び口を開きぬ。我は君と再會せり。此世にて再會せり。再會していよ/\君が情ある人なることを知る。されど薔薇は既に凋《しを》れ、白鵠《くゞひ》は復た歌はずなりぬ。おもふに君は聖母《
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