fスタ》の許に往き給ふことの頻なるが爲めなるべし。我家にはマリア[#「マリア」に傍線]の如き美しき人あるにあらねば、誰かおん身の足の彼方《かなた》にのみ向くを理《ことわり》ならずとせん。マリア[#「マリア」に傍線]は今ヱネチア[#「ヱネチア」に二重傍線]第一の美人にして、御身はヱネチア[#「ヱネチア」に二重傍線]第一の才子におはすれば、彼此《かれこれ》似つかはしき中なるに、マリア[#「マリア」に傍線]が所有なりといふカラブリア[#「カラブリア」に二重傍線]の地面はいと廣しといへば、おん二人《ふたり》の生計《たつき》さへ豐かなることを得べきならん。御身若し早く心を決めて誓約をだになし給はゞ、ヱネチア[#「ヱネチア」に二重傍線]全市の男子一人としておん身を羨まざるものなからんといふ。われ。いかなれば我をさまで利己心多きものとはし給ふぞ。わがマリア[#「マリア」に傍線]を尊むは、あらゆる美しきものを尊む情に外ならず。これをしも愛と謂はゞ、何人かマリア[#「マリア」に傍線]を愛せざらん。縱《たと》ひわれマリア[#「マリア」に傍線]を愛せんも我心は又決してその財産に左右せらるゝことなかるべし。主
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