ヘ食卓に就《つ》くべき時なり。ジエンナロ[#「ジエンナロ」に傍線]、おん身はフランチエスカ[#「フランチエスカ」に傍線]を伴ひ往け。われは外に婦人なければ即興詩人を伴はん。いざ、アントニオ[#「アントニオ」に傍線]君、手を携へて往かんと、戲れつゝ我を導けり。ジエンナロ[#「ジエンナロ」に傍線]。さるにても、フアビアニ[#「フアビアニ」に傍線]、おん身は何故我に一たびもチエンチイ[#「チエンチイ」に傍線]の事を語らざりしぞ。公子。我家にてはアントニオ[#「アントニオ」に傍線]と呼びならへり。その即興詩人となれるを夢にだに知らねばこそ、前《さき》の和睦の一段は生じたるなれ。アントニオ[#「アントニオ」に傍線]は言はゞ我家の子なり。アントニオ[#「アントニオ」に傍線]、然《さ》にはあらずや。(我は公子を仰ぎ視て會釋せり。)アントニオ[#「アントニオ」に傍線]は好き人物なり。唯だ物學ぶことを嫌へり。ジエンナロ[#「ジエンナロ」に傍線]。渠《かれ》は既に萬物を師とする詩人なり。いかなれば強ひて書を讀ませんとはし給ひし。夫人。(戲《たはぶれ》の調子にて)餘りに讚めちぎり給ふな。我等が渠の机に對ひて
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