「かに》といふにサンタ[#「サンタ」に傍線]もアヌンチヤタ[#「アヌンチヤタ」に傍線]が品性の高尚なると才藝の人に優《すぐ》れたるとをば一々認むといひたればなり。
或時われは詩稿を懷にして往きぬ。こは拿破里《ナポリ》に來てよりの近業にて、獄中のタツソオ[#「タツソオ」に傍線]、托鉢僧など題せる短篇の外、無題一首ありき。われは愛情の犧牲なり。わが曾て敬し曾て愛しつる影像は、皆碎けて塵となり、わが寄邊《よるべ》なき靈魂は其間に漂へり。われはサンタ[#「サンタ」に傍線]に向ひ居て詩稿を讀み始めしに、未だ一篇を終らずして、情迫り心激し、われは鳴咽《をえつ》して聲を續《つ》ぐことを得ざりき。サンタ[#「サンタ」に傍線]は我手を握りて、我と共に泣きぬ。わがサンタ[#「サンタ」に傍線]に親むことは、此より舊に倍したり。
サンタ[#「サンタ」に傍線]の家は我第二の故郷となりぬ。われは日ごとにサンタ[#「サンタ」に傍線]と相見て、日ごとに又その相見ることの晩《おそ》きを恨みつ。この婦人の家にあるさまを見るに、其戲謔も愛すべく其氣儘も愛すべし。これをアヌンチヤタ[#「アヌンチヤタ」に傍線]の一種近づく
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