ヨと繰反したり。われは心もそらに再び、友なりしか我なりしかと叫びたり。
その時われはアヌンチヤタ[#「アヌンチヤタ」に傍線]が友の上に俯して唇をその※[#「桑+頁」、第3水準1−94−2]《ひたひ》に觸るゝを見、その聲を呑みて微かに泣くを聞きたり。
次第に集りたる衆人の中より、忽ち邏卒々々《らそつ/\》と呼ぶ聲を聞けり。われは目に見えぬ幾條の腕もて拉《ひ》き去らるゝ心地して、此場を遁《のが》れたり。
基督の徒
愛せられしは友なり。この一條の毒箭《どくや》は我渾身の血を濁して、人を殺せり友を殺せりといふ悔悟の情の頭を擡《もた》ぐるをさへ妨げんとす。灌木雜草を踏みしだき、棘《いばら》に面を傷《きずつけ》られ、梢に袖を裂かれつゝも、幾畝の葡萄畠を限れる低き石垣を乘り越え乘り越え、指すかたをも分かでモンテ、マリヨ[#「モンテ、マリヨ」に二重傍線]の丘を走り下るに、聖ピエトロ[#「ピエトロ」に傍線]の御寺の火は、昔カイン[#「カイン」に傍線]の奔《はし》りしとき、同胞の躯《からだ》を供へたる贄卓《にへづくゑ》の火のゆくてを照しゝ如くなり。(譯者云。カイン[#「カイン」に傍線]は亞
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