T線]の右に出づべき。ラオコオン[#「ラオコオン」に傍線]にてはまことに石の痛楚《つうそ》のために泣くを見る。しかも猶及ばざるところあり。獨り我ヱヌス[#「ヱヌス」に傍線]と美を※[#「女+貔のつくり」、55−中段−5]《くら》ぶるは、君も知り給へるワチカアノ[#「ワチカアノ」に二重傍線]のアポルロン[#「アポルロン」に傍線]ならん。その詩神を摸したる力量は、彼ヱヌス[#「ヱヌス」に傍線]に於きてやさしき美の神を造れるなり。我答へて。君の愛《め》で給ふ像を石膏に寫したるをば、我も見き。姫。否、われは石膏の型《かた》ばかり整はざるものはなしと思へり。石膏の顏は死顏なり。大理石には命あり靈あり。石はやがて肌肉となり、血は其下を行くに似たり。フイレンチエ[#「フイレンチエ」に二重傍線]まで共に行き給はずや。さらばわれ君が案内すべし。我は姫が志の厚きを謝して、さていひけるは、さらば再生祭の後ならでは、又相見んこと難かるべしといふ。姫こたへて。さなり。聖ピエトロ[#「ピエトロ」に傍線]寺の燈を點し、烟火戲《ジランドラ》を上ぐる折は、我等が相逢ふべき時ならん。それまでは君われを忘れ給ふな。我はまた
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