Aニ[#「フアビアニ」に傍線]といふ士官と倶《とも》に一間に歩み入り給ひぬ。
ボルゲエゼ[#「ボルゲエゼ」に傍線]の別墅《べつしよ》に婚禮あり。世に罕《まれ》なるべき儀式を見よ。この風説は或る夕カムパニア[#「カムパニア」に二重傍線]なるドメニカ[#「ドメニカ」に傍線]があばら屋にさへ洩れ聞えぬ。フランチエスカ[#「フランチエスカ」に傍線]の君はかの士官の妻になるべき約を定めて、遠からずフイレンチエ[#「フイレンチエ」に傍線]なるフアビアニ[#「フアビアニ」に傍線]家の莊園に遷《うつ》らんとす。儀式あるべき處は羅馬附近の別墅なり。※[#「木+解」、第3水準1−86−22]《かしは》いとすぎ桂など生ひ茂りて、四時緑なる天を戴けり。昔も今も、羅馬人と外國人と、恆《つね》に來り遊ぶ處なり。麗《うるは》しく飾りたる馬車は、緑しげき※[#「木+解」、第3水準1−86−22]の並木の道を走り、白き鵝鳥は、柳の影うつれる靜けき湖を泳ぎ、機泉《しかけのいづみ》は積み累《かさ》ねたる巖の上に迸《ほとばし》り落つ。道傍には、農家の少女ありて、鼓を打ちて舞へり。胸(乳房)ゆたかなる羅馬の女子は、燿《かゞや
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