っても好い人間だから、相手にはならないでしょう。そうね。いてもいなくってもじゃない。いない方が好いに極まっているのだっけ」
「いやにひねくれた物の言いようをするなあ。いない方が好いのだって。大違だ。いなくては困る。子供の面倒を見て貰うばかりでも、大役だからな」
「それは跡へ綺麗なおっ母さんが来て、面倒を見てくれますでしょう。継子《ままこ》になるのだけど」
「分からねえ。二親揃って附いているから、継子なんぞにはならない筈だ」
「そう。きっとそうなの。まあ、好い気な物ね。ではいつまでも今のようにしている積なのね」
「知れた事よ」
「そう。別品とおたふくとに、お揃の蝙蝠を差させて」
「おや。なんだい、それは。お茶番の趣向見たいな事を言っているじゃないか」
「ええ。どうせわたしなんぞは真面目な狂言には出られませんからね」
「狂言より話が少し真面目にして貰いたいなあ。一体その蝙蝠てえのはなんだい」
「分かっているでしょう」
「分かるものか。まるっきり見当が附かねえ」
「そんなら言いましょう。あの、いつか横浜から蝙蝠を買って来たでしょう」
「それがどうした」
「あれはわたしばかしに買って下すったの
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