召、とかく御|保重《ほぢゆう》専一に候。必々耳をとめて御きき可被下候。令郎がた次第に御成立推量仕候。凡《すべて》令内様令郎二位へ宜奉願上候。直卿《ちよくけい》はなしにて聞けば、詩会連月打つづき、風流御境界之由羨敷奉存候。六右衛門古庵様折ふし見え候半《さふらはむ》と推察仕候。御次《おんついで》に宜奉願上候。市川はいかが、折ふし参られ候哉、近比杳然に候。宜奉願上候。年内つくり候一首、歳首二章|汚電候《をでんしそろ》。御一笑可被下候。これは直卿参り候はば御見せ可被下候。見せよと申参候。石田町の内へ移居のよし、隠者もさびしきものと見え候。書状御届奉願上候。玄間兄弟へ宜奉願上候。一々書状遣候ても、多用の人を攪撩《かくれう》いたし候半と存さしひかへ申候。いはぬはいふにいやまさると申こと御つたへ可被下候。服部兄いかが、今は劇職のよし、たび/\見え申まじく候。参られ候はば宜奉願上候。かへす/″\も令郎様へ宜御申可被下候。月事《げつじ》の姫へも。」
紙上自筆の文字を見るに、茶山は未だ必ずしも尺牘を作るに人を倩《やと》はなくてはならぬ程衰へてはゐなかつた。只新年を賀する書を作らうとおもひ立つアンピユルシ
前へ
次へ
全1133ページ中559ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
森 鴎外 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング