伊沢蘭軒
森鴎外

−−
【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)為仕度段《つかまつらせたきだん》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)安藝国広島国泰寺裏門前|杉木小路《すぎのきこうじ》の

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「女+(而/大)」、7巻−16−下−14]相寿桂《どんさうじゆけい》大姉

 [#(…)]:訓点送り仮名
 (例)一[#(に)]坊寺《ばうじ》

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)たま/\
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
−−

     その一

 頼山陽は寛政十二年十一月三日に、安藝国広島国泰寺裏門前|杉木小路《すぎのきこうぢ》の父春水の屋敷で、囲の中に入れられ、享和三年十二月六日まで屏禁せられて居り、文化二年五月九日に至つて、「門外も為仕度段《つかまつらせたきだん》、存寄之通|可被仕候《つかまつらるべくそろ》」と云ふ浅野安藝守|重晟《しげあきら》が月番の達しに依つて釈《ゆる》
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