茎《ちかけい》を蒸《む》せば食用にするに足《た》るとのこと、また地方によりこれから澱粉《でんぷん》を採《と》って食《しょく》しているところがある。
この草は日本と中国との原産で、もとより欧米《おうべい》にはない。欧州のある植物園では非常に珍しがって、たいせつに栽培してあるとのことだ。
このドクダミはハンゲショウ科に属し、Houttuynia cordata Thunb[#「Thunb」は斜体]. の学名で世界に通っている。この属名はオランダの学者で日本の植物をも書いたホッタインの姓《せい》を取ったものだ。種名のコルダタは心臓形の意で、その葉形《ようけい》に基《もと》づいて名づけたわけだ。
[#「ドクダミの図」のキャプション付きの図(fig46821_17.png)入る]
イカリソウ
イカリソウは錨草の意で、その花形《かけい》に基《もと》づいて名づけたものである。実際その花はちょうど錨《いかり》を下《さ》げたようなおもしろい姿を呈《てい》しているので、この草を庭に栽《う》えるか、あるいは盆栽《ぼんさい》にしておき、花を咲かすと、すこぶる趣《おもむき》がある。栽培はい
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