ない的のものである。
栽培はきわめて容易で、家の後《うし》ろなどに栽《う》えておくと年々|能《よ》く繁茂《はんも》して開花する。その茎上《けいじょう》に小珠芽《しょうしゅが》ができて地に落ちるから、それから芽が出て新株《しんしゅ》が殖《ふ》える特性を有している。
日本にはこのシュウカイドウ科の土産《どさん》植物は一つもなく、ただあるものは外国|渡来《とらい》の種類のみである。温室内にあるタイヨウベゴニア(大葉ベゴニア)は、大なる深緑色葉面《しんりょくしょくようめん》に白斑《はくてん》があって、名高い粧飾《しょうしょく》用の一種である。
[#「シュウカイドウの図」のキャプション付きの図(fig46821_16.png)入る]
ドクダミ
ドクダミと呼ぶ宿根草《しゅっこんそう》があって、たいていどこでも見られる。人家《じんか》のまわりの地にも多く生じており、摘《つ》むといやな一種の臭気《しゅうき》を感ずるので、よく人が知っている。また民間ではこれを薬用に用いるので有名でもある。ドクダミとは毒痛《どくいた》みの意だともいわれ、またあるいは毒を矯《た》め除《のぞ》くの意だと
前へ
次へ
全119ページ中85ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
牧野 富太郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング