くさ》中のアサガオではけっしてないことを知っていなければならない。
キキョウはキキョウ科中|著名《ちょめい》な一草で、Platycodon grandiflorum A[#「A」は斜体]. DC[#「DC」は斜体]. の学名を有する。この属名の Platycodon はギリシア語の広い鐘《かね》の意で、それはその広く口を開《あ》けた形の花冠《かかん》に基《もと》づいて名づけたものである。そして種名の grandiflorum は、大きな花の意である。
キキョウは山野《さんや》の向陽地《こうようち》に生じている宿根草《しゅっこんそう》であるが、その花がみごとであるから、観賞花草として能《よ》く人家《じんか》に栽《う》えられてある。茎《くき》は直立して、九〇ないし一五〇センチメートルばかりに達し、傷《きず》つけると葉と共《とも》に白乳液《はくにゅうえき》が出る。葉は緑色で裏面帯白《りめんたいはく》、葉形《ようけい》は広卵形《こうらんけい》ないし痩卵形《そうらんけい》で尖《とが》り、葉縁《ようえん》に細鋸歯《さいきょし》がある。ほとんど無柄《むへい》で茎《くき》に互生《ごせい》し、あるい
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