んせい》のようになって生《は》えている。これはもと人家《じんか》に栽培《さいばい》してあったものが、いつのまにかその球根が脱出して、ついに野生《やせい》になったもので、もとより日本の原産ではない。このように野生になっている所では、玉玲瓏《ぎょくれいろう》と中国で称する八重咲《やえざ》きの花が見られる。また青花と呼ばれる下品な花も現《あらわ》れる。
支那水仙といって、能《よ》く(このような場合のヨクは能の字を書くのが本当で、近ごろのように一点張《いってんば》りに良の字を書くのは誤《あやま》りである。これは can と good とを混同視《こんどうし》したものだ。チョット老婆心《ろうばしん》までに。)水盆《すいぼん》に載《の》せて花を咲かせているものがあるが、これは人工で球根を割《さ》き、多数の花茎《かけい》を出《いだ》させたものだ。けっして別種の水仙ではない。こんな球根への細工《さいく》は、その方法をもってすれば日本ででもできる。
[#「スイセンの図」のキャプション付きの図(fig46821_03.png)入る]
キキョウ
キキョウは漢名《かんめい》、すなわち中国名
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