、換言《かんげん》すればその茎《くき》を食《しょく》しているのであって、本当の果実を食《く》っているのではない(いっしょに口には入って行けども)。されば本当の果実とはどこをいっているかというと、それはその放大せる花托面《かたくめん》に散布《さんぷ》して付着《ふちゃく》している細小な粒状《つぶじょう》そのもの(図の右の方に描いてあるもの)である。
ゆえにオランダイチゴは食用部と果実とはまったく別で、ただその果実は花托面《かたくめん》に載《の》っているにすぎない。そして畢竟《ひっきょう》このオランダイチゴの実も一つの擬果《ぎか》に属するのだが、それは野外に多きヘビイチゴの実も同じことだ。このヘビイチゴの実には甘味《あまみ》がないからだれも食《く》わない。いやな名がついていれど、もとよりなんら毒はない。ヘビイチゴとは野原で蛇《へび》の食《く》う苺《いちご》の意だ。
[#「オランダイチゴの図」のキャプション付きの図(fig46821_22.png)入る]
[#改ページ]
あとがき
まず以上で花と実との概説《がいせつ》を了《お》えた。これは一気呵成《いっきかせい》に筆《ふで》にま
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