》を有している。これは四、五月ごろに市場に現《あらわ》れ、サマー・オレンジと称している。この品は田村氏がはじめて見いだしたので、一に田村|蜜柑《みかん》とも呼んでいる。
[#「ミカンの図」のキャプション付きの図(fig46821_20.png)入る]
バナナ
元来《がんらい》バナナ(Banana)はその実のできるミバショウ(学名は Musa paradisiaca L[#「L」は斜体]. subsp. sapientum O[#「O」は斜体]. Kuntze[#「Kuntze」は斜体])の名であるが、日本民間でふつうにバナナというと、その実(果実)を指《さ》して呼んでいる。しかし西洋でも同様にその実をバナナといっていることもないではないが、これを正しくいうならバナナの実と呼ぶべきである。
さて、果実としてのバナナは元来《がんらい》そのいずれの部分を食《しょく》しているかというと、実はその果実の皮を食しているので、これはけっして嘘《うそ》の皮ではなく本当の皮である。もしもバナナにこの多肉質《たにくしつ》をなした皮がなかったならば、バナナは果実としてなんの役にも立たない
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