sヒューマニティー》は現社会が未だその一歩をふみ出せしに過ぎない高峰に達し初むるであらう。恋愛は早晩その失墜せる権威と名声とを回復しなければならない、何故なればそれは私が既に云つた様に人類出産の不断の連鎖に対する最大な武器である。それによつて時代は時代を追ふて肉と霊との様々なる力を継承し移殖する。その力は次第に高尚となり、美はしき平衡を現はし男性と女性とは愈々《いよいよ》堅く結び付けられるのである。
 併し恋愛は既に進化して男性及び女性の諸性質を調和するに必須なる要素となつた。かくして吾人は社会問題の解決に協力する多くの男女を見るのである。然かし彼等の協力は通例単に男性及び女性の能力の機械的結合に過ぎないのである。勿論その協力は次第に組織的に赴むき男性と女性とは益々人生のあらゆる目的の完備に向て結合せんとしてゐる。結婚は恋愛の継続ならざるべからずといふ近代婦人の意志は男女間の精神的交通及びその日常生活が単に家庭生活の範囲以上のものを抱括しなければならないといふことを意味してゐるのである。それは又、男女各自が彼等の日常生活外の舞台に於ける人格の発現を愛することを意味してゐるのである。かく
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