恋愛と道徳
エレン・ケイ
伊藤野枝訳
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)屡々《しばしば》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)結果|孰《いず》れが
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)個人が恋愛関係によつて最高の幸福を享楽しなければならない[#「個人が恋愛関係によつて最高の幸福を享楽しなければならない」に傍点]
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)もろ/\
−−
恋愛のために個人の幸福と社会の安寧とが屡々《しばしば》衝突する事がある。此の時に現在の義務と云ふ観念が社会に対する個人の絶対無条件の犠牲を要求する。私共はこういふことを屡々耳にする――凡《およ》そ国家として欠くべからざるものは健全なる父母であり、而《しか》して彼等の確固たる永久の結合はその子孫の教育を安全ならしむるものである。さうして、此要求が個人の幸福に対して干渉する場合には、個人は何時でも犠牲の位置に立たなければならない。この個人が禍を蒙むると云ふことが直ちに結婚の覊絆《きはん》をゆるめなければならぬといふ理由
次へ
全54ページ中1ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
ケイ エレン の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング