クローデイアス ルツドヰツヒ・ロンネ
王妃ガートルード 衣川暁子《きぬがはあきこ》
父王の亡霊 ┐
├ 淡路《あはぢ》研二
侍従長ポローニアス┘
ポローニアスの息
レイアテイズ 小保内《こぼない》精一
同娘
オフエリヤ 久米幡江《くめはたえ》
ホレイシヨ 陶孔雀《すえくじゃく》
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一、二人亡霊
法水《のりみず》の楽屋は、大河に面していて、遠見に星空をのぞかせ、白い窓掛が、帆のように微風をはらんでいた。
彼が、長剣の鐺《こじり》で扉をこずき開けると、眼一杯に、オフェリヤの衣裳を着た、幡江の白い脊が映った。そして、卓子《テーブル》を隔てた前方には、前の幕合から引き続き坐り込んでいる、支倉《はぜくら》検事と熊城捜査局長が椅子に凭《もた》れていた。
検事は法水の顔を見ると、傍《かたわら》の幡江を指差して云った。
「ねえ法水君、実はさっきから、このお嬢さんが、君に役者を止めろ――と云っているんだぜ。とにかく、俳優としてよりも、探偵としての、君であ
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