んでいるのですから、ちょいちょい立止ります。
「簪《かんざし》かい、玩具《おもちゃ》かい」と、足を止められますので、入らないといっては悪いと気が附いて、小さなお茶道具を一揃い買ってもらいました。
「もっと何か」とおっしゃいます。
「また何か私の読める本でも買っていただきましょう。」
「うん、それもよかろう。今度は皆のお土産だ。」
雷おこしや紅梅焼《こうばいやき》の大きな包が出来ました。
雷門から車に乗って帰りましたら、まだ時間は早いのでした。祖母様はにこにこして、「まあ、こんなに沢山お土産を。お前は何を買っていただいたの。」
そして私の出した包を拡げて見て、「これはこれは、見事なものだね。お雛様のお道具になるね。大事におしよ」とおっしゃいます。
兄様が傍から、「こいつはほんとにしようのない奴だ。遠慮ばかりして、何も入らないというのだもの」といわれます。
「それで写真はどうだったの」と母が聞かれます。
「写しましたけれど、どんなだか。」
幾日か過ぎて届いた手札形の写真は、泣出しそうな顔をしていました。
「どうしてこんな顔をしているのだろう」といわれて、「だって私、ひとりで心細か
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