し》ほどもある大きな玉を繋いだのが掛けてあり、前の方には幾段かの鐶《かん》に大小の数珠が幾つも並べて下げてあります。その辺まで鳩が下りています。
お堂へ上る広い階段は、上り下りの人で押合いの混雑で、その中を分けて行くのです。大きな賽銭箱《さいせんばこ》へおひねりを投入れてお辞儀をするのはお祖母様のまねです。気が附くと兄様が見えません。あたりを見廻しましたら、お籤《みくじ》の並びにあるおびんずるの前に立っていられました。いつか字引で見ましたら、それは賓頭盧と書くので、白頭|長眉《ちょうび》の相を有する羅漢とありましたが、大勢の人が撫《な》でるので、ただつるつるとして目も鼻もない、無気味な木像です。それが不似合な涎懸《よだれかけ》をしているのは信者の仕業《しわざ》でしょう。
高い欄間《らんま》に額が並び、大提灯《おおぢょうちん》の細長いのや丸いのや、それが幾つも下った下を通って裏の階段の方へ廻りましたら、「これから江崎へ行くのだ」とおっしゃいます。
「江崎へ?」
私が目を見張りますと、「そうだ、お前の写真を撮るのだ。」
私はびっくりして、口が開かれません。ただとぼとぼと附いて行きま
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