めに作られたものもあります。黒塗の印籠、または金蒔絵《きんまきえ》をしたり種々手の込んだ優美な品につける根附は、高尚な趣味のものでなければならず、吸殻あけなどは簡単な人が持つのでしょう。紙巻煙草が盛んになるまでは、職人、農人などは掌《てのひら》にあけて上手にころがして吸付けたものでした。
根附の材料は種々あるので、日本は良材が多いのですから、檜《ひのき》などよく使われましたが、その質が余り硬くないので、磨滅する虞《おそ》れがあります。宅にある根附の中に、笠《かさ》の上に何か動物のいるのがありましたが、すっかり減って形が分らぬ位になっていました。「これは珍しいから」と、大事にしていました。その道の人は減るのを慣れというそうで、これなどは慣れの甚しいのでしょう。
そのために硬く粘り気のある黄楊《つげ》を用いるようになりましたが、産地によって硬軟の差があるようにも聞きました。また桜、黒檀《こくたん》、黒柿《くろがき》なども用いられ、胡桃《くるみ》なども多く使われます。これは種彫《たねぼり》といわれます。
象牙は黄楊と共に、根附にはよく使われるので、支那、朝鮮からの輸入でしょう。琴柱《
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