ん》が立派にやっていられるので、私たちも仕合せなのを喜んでいますが、孫にだって御主人といってもよかろうねえ」といわれるのです。
「そうですとも。御主人に違いありませんよ」といいますと、「私が歌をよんだから聞いておくれ」といわれます。
「まあ」と、私はびっくりしました。今までついぞそんなことなどおっしゃったことはないのですから。
「笑わないでおくれ」といわれます。
「笑うものですか。ただ珍しいので驚いたのです。」
「無事に帰るのを、私も丈夫で待受けたと思った今朝、庭の蹲《つくば》いの傍に水仙が一つ咲いていたのが目に附いたので、
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御主人のけふお帰りをよろこぶか
    ぽつかり咲いた水仙の花
[#ここで字下げ終わり]
 どうだろう、ぽっかり咲いたのがいいたかったのさ。」
 私はまた驚きました。昔から家事には精《くわ》しいのですが、そこらに本があっても見ようとはなさらず、ただ倹約ということばかりをいっていられたのですし、まして近頃は気力も衰えて、はっきりもなさらないのに、どうして歌をお思附《おもいつき》になったのだろう、よほどお嬉《うれ》しいのに違いないと思いますと、
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