と相談されました。主人が早速大学の眼科へ行って、河本氏に尋ねましたら、「健康なら手術は簡単だから」とのお話でしたので、それではと入院となったのです。
 手術の済んだ午後に主人が尋ねましたら、何の故障もなかったそうで、安静第一とのことです。それで二、三日過してから私は見舞いました。
「喜んでおくれ。また見えるようになるそうだよ」といわれます。
 附添《つきそい》の看護婦は元気のよい人で、「御隠居様は大層経過がおよろしそうですが、どうも繃帯《ほうたい》をおいじりになっていけません」といいます。それを聞いて、「うるさくて困るものだから」とおこぼしです。
「それはおうるさいでしょうが、そっとしてお置きの方が早くお癒りになりますよ」となだめますと、看護婦がまた口を挟んで、「召上り物はよく上りますけれど、昨晩あまり甘いお菜だから、さっぱりした大根|卸《おろし》が食べたいとおっしゃいます。けれどもそんな物はございませんといっても、これだけ大勢の食事を拵《こしら》えるのに、大根の切れ端くらいないはずはないとおっしゃるので困りました」というのです。
「おばあ様、ここではね、何でもすっかり出来上った品を運
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