るという通知を受けて、団子坂へ行きました。だんだん年を取るので、孫に連れて行ってもらいます。車で大観音の前を通りますと、四万六千日《しまんろくせんにち》だというので賑《にぎや》かです。三十幾年前もこんなだったと思います。今か今かというような、兄の容体を案じながら通った時の気持が思出されます。その頃の大観音の高いお堂は焼け失《う》せて、今は何か小さな物が建っているだけで、ここにも世の変遷が見られます。森の家も、いかめしかった門は影も形もありません。毎朝兄が出勤せられる時、馬丁が馬を引いて来るのを佇《たたず》んで待っていられた軍服姿が思出されます。
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駒《こま》ひくをまつ朝戸出《あさとで》の手すさびに
折りてぞ見つる梅の初花
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明治四十年頃の歌です。その梅なども、もとよりありません。昔駒寄せのあった向側に机を並べて、来会者に記名させる人々が待っています。筆を持ちますと、知人の名が目に附いて、もう来ていられるな、と思います。
そこら一杯に人の並んでいられる傍を通って前の方へ出ますと、於菟《おと》さんが笑顔で立っていられます。今日の式ま
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