、元老院議官というお役をお勤めでした。その頃私がぽつぽつ三十一文字《みそひともじ》を並べましたので、亀井家で何かお集りのあった時、お父様が福羽氏にお目にかかって、私のことをお頼みになったのです。無論お兄様とも相談の上でした。福羽氏は快く承知なすって、「昼は勤めで忙しいから、泊りがけでお出《いで》なさい」とおっしゃったというので、六番町《ろくばんちょう》のお邸へ、祖母と一緒に折々伺いました。お手紙の数通はその頃のもので、唐紙の巻紙に書いてあります。
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浦千鳥
筆
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右御出詠なさるべく候。過日の詠草御返し申上候。
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十八日
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森きみ子様[#地から3字上げ]美静
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池水鳥
山松
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右弐題御出詠|可被成《なさるべく》候。此程の歌点検致し候。かしく。
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十二月四日
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森きみ子さま御返事[#地から3字上げ]美静
福羽氏はいつも馬車で出入なさいます。その頃夫人はいらっしゃいませんでした。お写真を見せていただきま
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