の佐藤翁が新年に私へ下すったお手紙があります。
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新禧《しんき》万祝、御歌いとをかしく、御出精のほど見えはべれ。加筆返上、其後御兄さまより御便りはありしや、いかゞ。あらば御聞せ下され。
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其まゝに千代の鏡と氷るなり
    結びあまりし今朝の薄氷《うすらひ》
大きみの千世の例《たとえ》と老がつむ
    心の根芹《ねぜり》もえやしつらん
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など、思ひ候まゝかいつけ上候。桂の君にもよろしく御伝《おつたえ》ねぎ上候。かしく。
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   おきみさま御もとへ[#地から3字上げ]元萇《げんちょう》
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別紙|憚《はばかり》ながら御とゞけねぎ上候。
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 元萇は翁の本名です。別紙というのは桂子さんへのお便でした。佐藤翁の手紙も写して独逸へ送りました。
 二月七日の「独逸日記」には、「朝家書至る。妹の歌に」として、
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こと国のいかなる鳥の音をきゝて
    立かへる春を君やしるらん
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と書留めてあります。
 前後しましたが、十
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