が、絵草紙屋《えぞうしや》などもありますし、簪屋《かんざしや》も混っています。絵草紙は美しい三枚続きが、割り竹に挿《はさ》んで掛け並べてありました。西南戦争などの絵もあったかと思います。役者のもあったのは、芝居町が近かったからでしょう。やはり玩具屋なのでしょうか、特別に小さいお座敷の模型、お茶道具、お勝手道具と、何でも小さい物ばかり並べてあるのを、飽きずに眺《なが》めたりしました。
小路を這入った処に小料理屋があって、新栗のきんとんがおいしいというので、その時節にはよく立寄りました。お留守をした人におみやげにするのです。五重塔のある側に綺麗なお汁粉屋があって、そこのお雑煮《ぞうに》のお澄ましが品のいい味だというので、お母様は御贔屓《ごひいき》でした。お兄さんは、お餅が小さくて腹に張らないから嫌《いや》だといわれたとて、皆笑いました。雷門前では、お父様へのおみやげに、かりん糖や紅梅焼を買います。お父様はお茶をお飲みの時、「ちょっとした菓子よりこの方がよい」と、和三盆《わさんぼん》を小匙《こさじ》に軽く召上るのですから、おみやげはほんのお愛想です。
それから、浅倉屋へ寄ります。ここは名
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