度位は白髭《しらひげ》や梅若《うめわか》辺まで行って見ます。
夏には流灯会がありますが、これは二、三日の間のこと、秋は百花園の秋草見物があり、「おん茶きこしめせ、梅干もさぶらふぞ」の招牌《かんばん》は昔ながらでも、それは風流の人たちが喜ぶので、小さな子たちには向きません。楽しみなのは渡しを向うへ越すことで、お休みの続く頃か、試験の済んだ跡などに連れて行ってもらいます。
斜めの道を川の方へ下りますと、土手際に並んだ杭に、ざぶざぶと水のかかるところだけ苔《こけ》が真青に附いています。もやってある船に乗込んで、人の溜《たま》るのを待つ間はそわそわとして落ちつきません。やっと人が集ると、船頭が来て纜《ともづな》を解きます。「さあ出しますよ」と声を懸ける時、一度に、どやどやと乗込まれたりしますと、船がひどく揺れますから、小さくなってしゃがんでいます。
川の真中へ出ると、船頭はゆっくり棹《さお》をさします。やっと落ちついて後を振返ると、土手の眺めがよいのです。花のある時は薄紅の雲が下りているようですし、人が混雑していても、遠くから見ては苦になりません。花を見ながら上下する屋根船もあります。花
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