達なのさ! なよたけが心を許しているのはわらべ達だけなのさ! わらべ達はひとりひとりなよたけの心を持ってるんだ! わらべ達の心はなよたけの心なんだ! 僕はなよたけと話が出来なくったって、わらべ達とは話が出来るんだ! なよたけは僕に話掛けてくれなくったって、わらべ達は僕に話掛けてくれるんだ! 僕がわらべ達と話をしてると、なよたけは傍《そば》で微笑《ほほえ》みながら、僕とわらべ達の話を聞いててくれるんだ! 僕はわらべ達と話をしてれば、まるでなよたけと話をしてるような気持なんだ! わらべ達の話の中にはなよたけの心が通《かよ》ってるんだ! なよたけの心の中にはわらべ達の話が通ってるんだ! 僕はわらべ達と話してるんじゃなくて、なよたけと話してるんだ! なよたけは僕に……
文麻呂 清原! 落着け!
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間――
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清原 (やや理性をとり戻す)……石ノ上。……僕は取乱しちまってる。恋のためにすっかり取乱しちまってる。許してくれ。……僕は行かなくちゃならない。すぐに行かなくちゃならない。なよたけに逢いに行かなくちゃ
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